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タテジマカミキリ

愛知県の知多半島に昆虫の集まりで行ったときに見つけました。カクレミノの枝にしがみついて越冬しています。

珍しい昆虫ではなくて、普通種です。カクレミノが自生している。海の近くや温暖な所なら大抵見つかります。

カクレミノの幹を削って体を上手に隠しています。穴の開いた枯れた枝がある株を見つけると良いです。

長崎県の対馬に行った時も、たくさんいましたが、ほとんど採集しませんでした。このカミキリは地域変異がなく、九州の個体と愛知県では区別がつきません。

昆虫採集をしている人達はおもに地域変異を集めている方が多く、このタテジマカミキリは全く人気がありません。

 

 

 

 

今年、初めての書き込みです。又いろいろ書き込みます。

ネット販売も始めました良かったら見てください。通販はこちらです。

植物は、たくさん持っていますので、リクエストがあればお知らせください。

モルフォオオムラサキ

日本の国蝶オオムラサキの中に、稀にモルフォチョウ(南米)のような輝きを持ったオスが見つかることがあり、これを仮にモルフォオオムラサキと呼んでいます。色合いが紺色系ではなくて水色系で一目で別種の蝶に見えます。最近では昆虫の事で驚いたのはこのオオムラサキの写真を見た時でした。

実物の標本が見たくなり、蝶マニアの友人から借りて来て写真を撮りましたが採光の取り方でうまく撮れませんでした。

この蝶の色合いは遺伝型の劣勢遺伝なので出現率は大変低く、野外ではほとんど100%見ることは出来ません。私もオオムラサキは数多く見ていますが全く知りませんでした。

昨年写真をみて、これほど有名で全国に数多く生息している蝶で、まだ知られていなかった遺伝型が発見された事に大変驚きました。遺伝型と言うと聞きなれないと思いますが、他の動植物と同じで

昆虫にもみつかっています。蝶では同じタテハチョウ科のコムラサキでよく知られています。

 

現在出回っている標本は、野外で見つかった個体(滋賀県)から卵を産ませ、累代飼育によって劣勢遺伝の遺伝型を固定した個体から増やされたものです。

今まで各地で見つかっていますが、どこも分布の端(北海道)や個体数の少ない生息地です。

これは生息数が少ない為、遺伝的に血が濃くなり(近親交配)が進み、劣勢遺伝子が出現すると思われます。

山梨などの大発生地では、これまで全く見つかっていません。

同じような遺伝型でクロコムラサキが知られています。愛知県では、クロコムラサキの出現率が高かったのですが

最近、名古屋市内にも良く見られるようになり個体数が増え、それに伴いクロコムラサキがほとんど見られなくなって来ています。

オオモモブトスカシバの土繭(つちまゆ)

愛知県の知多半島にオオモモブトスカシバという蜂に擬態した蛾の蛹を採りに行って来ました。これはスカシバといって、蜂そっくりな蛾の仲間で蜂と一緒に飛んでいる為あまり見る事ができない珍品です。

オオモモブトスカシバは、マルハナバチに良く似ています。幼虫はキカラスウリの茎の中を食べ、終令幼虫は土にもぐってサナギになります。成虫を採集する事は大変むつかしいので、サナギの時に採集します。土に潜ったサナギは、土の粒と同じなので、発見することは中々大変です。

この採集には強敵がいます。それはモグラで、ほとんどのサナギは、モグラに食べられてしまっています。よほど美味しいのか、少し土を掘ると必ずモグラの穴が出現します。

植物の葉や茎の外皮は、昆虫や動物に食べられ易いので、なるべく美味しくないように工夫しています。葉を食べる蝶や蛾の幼虫は、美味しくない成分(アルカロイドなど)を体に取り込み、鳥などに食べられても美味しくないように努力しています。スカシバは主に茎の内部を食べるためモグラにとってはご馳走なのでしょう。

土を掘って探していると、葉を食べるスズメガのサナギが良く見つかりますが、全く食べられていません、5cmほどの大きなスズメガのサナギが同じ所にあっても食べられていませんでした。キツツキも木の中のカミキリムシなどの幼虫を好んで食べますが、葉にとまっている昆虫よりもよほど美味しいのでしょう。

キカラスウリの茎が裂けて幼虫の痕跡がある物をみつけても、ほとんど採れません、10本に1個ぐらいです。20個くらい採れそうな場所でも、1個採れれば良いほうです。宝探しみたいで結構時間を忘れて夢中になります。今日は、半日5時間くらいで9個採れました。モグラに食べられたサナギは穴があいてます。

キカラスウリ・・・ウリ科の多年草。日本全国に分布。芋状の根塊になり、大きな物は2リットルのペットボトルくらいになる。江戸時代は天花粉として利用した。

クモの忍者 (コケオニグモ)

このところ、書き込みが止っていましたのは、昆虫の会の世話人をしていまして、山梨で土日に大会を開いていました。甲虫(クワガタ、カミキリなど)の好きな人のあつまりで全国から集まります。金沢から参加されたⅠさんが今日、木の幹に面白いクモが止っていたと、見せていました。ウメノキゴケ(苔ではなく地衣類)にそっくりに擬態したクモでした。

アカマダラコガネ

北海道から屋久島まで、生息していますが非常に珍しいコガネムシです。私も50年くらい前(小学2年頃)に自宅近くの公園(名古屋市北区志賀公園)で初めて採り、図鑑で名前を調べた覚えがあります。昨年茶臼山(愛知県と長野県の境)の近くで久しぶりに見つけました。ハチクマなどの猛禽類の巣から幼虫が大量に見つかった事があり、他のコガネと違った生態をしていそうです。累代飼育は可能でこの個体もF.3 (3世代目)です。友人のO君から頂きました。

ミヤマダイコクコガネ

静岡県の水窪に、ミヤマダイコクコガネを採りに行って来ました。黒光りしてかっこいいです。オオセンチより大きく(25ミリ)見つけた時に、デカイと思いました。他には、オオセンチ、ゴホンダイコク、センチなどです。ここのセンチコガネは、他の産地より特に赤紫色の美しい物が多く目を引きました。センチの色彩変異は、一緒に生息しているオオセンチにかなり影響されていると思われます。ルリセンチ(オオセンチのルリ色タイプ)が生息している所のセンチは、黒やルリ色が多く、今回の静岡は、オオセンチの色は赤銅色でセンチの色は赤紫や銅色、鉄色などが多く、黒やルリ色は全く見られませんでした。

オオセンチコガネ

9月は毎年、オオセンチコガネを採りに行きます。今日(16日)は、4時前に起きて奈良に6時半頃にいまして、次に信楽、栗東にまわりもう一度、奈良から信楽に行きました。台風の影響でちょっと強行軍でした。天気が悪いと採れないので、晴れ間をぬっての採集でした。もう一つの目的のヤマトエンマは天気が悪いので10月に延期しました。

                                                 ルリセンチ (奈良県)

【オオセンチコガネ】・・・体長2cm弱、北海道~屋久島に分布。生息する地域によって色彩の変異があり、赤銅色、緑色、ルリ色などに変化する。おもに鹿のフンを食べる。最近は鹿の急激な増加にともない、分布が広がり、個体数も増えました。奈良はルリ色、栗東は緑色、比叡山は明るい赤色と近畿地方は、変異にとみ大変興味深い地域です。中国からヨーロッパにかけてのユーラシア大陸に、同じ仲間が広く分布していますが、日本のオオセンチが一番光沢が強くきれいです。

赤カブト・黒カブト

カブトムシを採っていると、中に赤茶のカブトがいます。私は若い(羽化したて)カブトはみな赤く次第に黒くなって行くと思っていました。先日虫の集まりに行きました処、ブリーダーの友人との話の中で、赤カブトの話になりました。赤カブトは最後まで赤、黒カブトは最初から黒との事でした。私は、採ったカブトは全部、子どもたちにあげてしまうので、しっかり経過を観察していませんでした。

赤と黒の違いは、幼虫時代のエサによるそうで、黒いエサ(腐葉土)を食べると黒くなり、黒くないエサ(腐食した木材など)を食べると赤くなるそうです。これは実際にためしたそうです。

シラホシハナムグリ?

カブトと一緒にシロテンハナムグリの黒い個体が採れたので、詳しい人に聞いたところシラホシハナムグリみたいです。他にも似たコガネ(ムラサキツヤコガネ)があり、種を同定する事はなかなか難しいです。

大阪の友人のN氏から電話があり、写真のコガネはシラホシに間違いないとの事でした。後日シラホシの標本を送って頂きました。